
担当制保育と一斉保育ってどう違うの?

保育士の方なら、どちらも聞いたことがありますよね
現在担当制保育を取り入れている保育園が多くなってきたとはいえ、園のほとんどが一斉保育を取り入れている保育園が多いです。
- 担当制保育って実際どんな保育方法なの?
- 一斉保育士か経験がないけれど、担当制保育の園で働けるのかな?
- どちらの保育方法が自分に合ってるのだろう
こんな悩みはありませんか?
いきなり働いている園が担当制保育に変わったり、転職した保育園が担当制保育の園だったら不安ですよね。
このブログは保育士歴15年の担当制保育、一斉保育両方を経験したことがある、筆者が書いた記事です。
この記事を読むと、担当制保育、一斉保育について詳しく理解することができます。
ぜひ最後までお読みください。
この記事で解決するお悩み
- どちらの保育も経験した経験談を知りたい
- 担当制保育ってどんな保育方法?
- 担当制保育のメリットデメリット
- 一斉保育ってどんな保育方法?
- 一斉保育のメリットデメリット
以上の悩みを解決する記事を用意しました。
担当制保育とは特定の保育士が子どもの担当を決めて食事、排泄、睡眠など生活習慣の部分を受け持つ保育の方法です。
担当制保育の1日は「流れる日課」。
担当制保育のメリットデメリット
- 担当の保育士と子どもたちがグループで動いていく保育ですが、排泄、食事など生活習慣は、1対1または1対2などで行うので、個々でのかかわりができ成長が見えやすい、また信頼関係が築きやすい。
- 子どもは他の子の生活習慣の行為の待ち時間がなく、他児が排泄や食事の間は遊んでいるので、集中して遊びに取り組む事ができる。
- 一日の流れが毎日同じで、日課を繰り返すことにより、子どもたちも生活の流れやリズムを理解しやすくなり、落ち着いて生活することができる。
- ○○ちゃんの次は私など、子どもが理解するようになり、順番がわかることによって先の見通しが持て、次は私の番と安心して保育士を待っていられる。
- 好きな遊びを存分にできるため、主体性が育ちやすい。
- 特定の保育士と愛着関係が築かれることで、担当以外の保育士が保育をしたときにいつもの保育士じゃないことで、不安定になり保育がしにくい時がある。
- 自分の担当の子どもとは密になれるが、グループとして動いていくことによって、担当以外のクラスの子どものことを把握しにくい部分がある。
- 流れる日課のため、グループが順番に動いていくことにより、保育士の質によって時間がかかったりするなど、保育士の連携が取れていないと、うまく保育が回らないことがある。
一斉保育とはクラスの子どもたちの中に何人かの保育士がいて、排泄や食事、生活習慣や遊びはみんなで一緒にしながら過ごす保育方法です。
一斉保育のメリットデメリット
- クラスの子どもをみんなで保育することにより、保育士が欠勤の場合も子どもが不安定にならずに、いつも通り過ごせる可能性が高くなる。
- クラスの子どもをみんなで保育するため、クラス全体の様子の把握や、子どもそれぞれの把握がしやすい。
- 色々な保育士がみんなでみる保育のため、子ども一人一人との信頼関係が築きにくい。
- 一斉に保育するため、他児の待ち時間がどうしても長くなる。
- 同じ遊びを子どもたちみんなですることが多いため、主体性が育ちにくい。
担当制保育、一斉保育も経験したことのある私の体験談

一斉保育しか知らなかった私が初めて担当制保育に出会った時は何もかもが衝撃でした!
保育の仕方や保育士の動きも全然違います。
一斉保育は複数の保育士とクラスの子どもを保育するのですが、担当制保育は自分の担当する子どもが決まっているので、担当する子どもと生活習慣を共にすることにより、どんどん信頼関係ができているのを肌で感じます。

昨日できなかったことが今日できるようになったなど細かい部分がわかり保育園のお母さんのような感じです。
担当の子どもが甘えたいときは決まって担当の保育士のところにくるので、かわいさ倍増です。
保育が流れる日課になっているので、子どもが他の子を待つ時間がないように工夫されており、一斉保育のような待ち時間がとても少ないのが特徴です。
保育士も「待ってね」という言葉かけがぐんと減ります。
一斉保育は、どうしても「待ってね」が多くなってしまいますよね。
また保護者対応も基本は担当保育士がするので保護者との信頼関係も築きやすいです。
複数担任ですが、基本は担当のグループごとで動くので生活習慣など、違うグループの保育士や子どもの動きが見えにくいので、新卒の保育士や経験が浅い保育士と一緒にクラス担任になったときは先輩のフォローが必要になってきます。
私自身は担当制保育の保育方法を知ってからは、乳児は担当制保育がより自分に合っていると実感しました。
転職するとしたら、担当制保育の保育園を選ぶでしょう。
一斉保育しか経験していない保育士さんはぜひ担当制保育を一度は経験してほしいです。
また一斉保育は複数の保育士でクラスの子どもを見るので、子どもが一人の保育士に固執することも少なく、代わりが利きやすいなどのメリットもあります。
一斉保育の園でも子どもの主体性を大事にしている園が理想ですね。
担当制保育ってどんな保育方法?

担当制保育は意外と歴史が古く、乳児保育の盛んなヨーロッパ(ハンガリー)で始まった保育理論で日本での導入が進み、1990年に厚生労働省の出した新しい保育所保育指針にも、導入するよう明文化されました。
保育園は集団生活で、一学年同じクラスになることが多いですが、特に乳児は月齢によって成長のペースに個人差が出てしまいます。

月齢差や成長の差が大きい子どもたちをまとめて保育するのは難しいところがありますよね
一人一人の生活リズムや月齢、成長に合わせて1日の生活をすすめたり、興味を引き出す遊びをしたり成長を促す働きかけやかかわり方が大切です。
担当制保育は一人の保育士が3~6人くらいの子どもを担当します。
私の園での1例
年齢 | 保育士一人につき子どもの人数 |
0歳児 | 1:3 |
1歳児 | 1:6 クラス内全体補助あり |
2歳児 | 1:6~8 クラス内全体補助あり |
生活習慣をいつも同じ保育士が行うことで子どもとの信頼関係が築きやすく、個人の成長のペースに合わせて配慮ができ、子どもが安心して園生活をおくれるようになります。
担当制保育の1日の流れ
担当制保育の1日は「流れる日課」です。
流れる日課の中で生活していると、次に自分がどのような行為をするか、自分の順番がいつまわってくるかが分かってきます。
具体例
実際の0歳児クラスの動き例
0歳児クラス9名(A,B,C,D,E,F,G,H,I)(保育士3人(A,B,C)、担当は子ども3人ずつ)
(排泄に行くときの例)
A保育士(子どもA.B.C) | B保育士(子どもD.E.F) | C保育士(子どもG.H.I) |
排泄一人ずつ A→B→C | 子どもの見守り | 子どもの見守り |
子どもの見守り | 排泄一人ずつ D→E→F | 子どもの見守り |
子どもの見守り | 子どもの見守り | 排泄一人ずつ G→H→I |
0歳児は排泄は1対1で連れて行くのですが、担当する3人の子どものうち、残りの2人は他の保育士がみて、順に流れていくように進めます。
(給食時の例)
給食後は午睡に入ります。
A保育士(子どもA.B.C) | B保育士(子どもD.E.F) | C保育士(子どもG.H.I) |
子どもAとB給食→午睡 | 子どもDとE給食→午睡 | 子どもC,F,G,H,I遊びの見守り |
子どもC給食→午睡 | 子どもFとI遊びの見守り、午睡チェック(給食後午睡) | 子どもGとH給食→午睡 |
午睡チェック | 子どもF給食→午睡 | 子どもI給食→午睡 |
担当制保育のメリット
- 担当の保育士と子どもたちがグループで動いていく保育ですが、排泄、食事など生活習慣は、1対1または1対2などで行うので、個々でのかかわりができ成長が見えやすい、また信頼関係が築きやすい。
- 子どもは他の子の生活習慣の行為の待ち時間がなく、他児が排泄や食事の間は遊んでいるので、集中して遊びに取り組む事ができる。
- 一日の流れが毎日同じで、日課を繰り返すことにより、子どもたちも生活の流れやリズムを理解しやすくなり、落ち着いて生活することができる。
- ○○ちゃんの次は私など、子どもが理解するようになり、順番がわかることによって先の見通しが持て、次は私の番と安心して保育士を待っていられる。
- 好きな遊びを存分にできるため、主体性が育ちやすい。

担当保育士が欠勤の場合のために、あらかじめ副担当保育士を決めておくことが大切です。子どもたちもいつもの保育士がいなかったらこの保育士だと理解できるようになってきます。
担当制保育のデメリット
- 特定の保育士と愛着関係が築かれることで、担当以外の保育士が保育をしたときにいつもの保育士じゃないことで、不安定になり保育がしにくい時がある。
- 自分の担当の子どもとは密になれるが、グループとして動いていくことによって、担当以外のクラスの子どものことを把握しにくい部分がある。
- 流れる日課のため、グループが順番に動いていくことにより、保育士の質によって時間がかかったりするなど、保育士の連携が取れていないと、うまく保育が回らないことがある。
自分の担当の子どもの事や大変なことなどをクラスの保育士と常に話し合って情報共有し、よりよく保育ができるように随時日課を変えていく必要があります。
担当制保育についてのおすすめの本はこちら↓
この本は担当制保育をするにあたって、絶対に読んでほしい本3選です!!
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一斉保育ってどんな保育方法?


一般的な保育園でイメージするのはだいたい一斉保育ですよね。
昔から取り入れられている保育方法で、今でも一斉保育を行っている保育園が多いです。
子どもの担当は決めておらず、A保育士が介助したりB保育士が介助したりとクラスの子を何人かの保育士がみんなで保育する方法です。
一斉保育のメリット
- クラスの子どもをみんなで保育することにより、保育士が欠勤の場合も子どもが不安定にならずに、いつも通り過ごせる可能性が高くなる。
- クラスの子どもをみんなで保育するため、クラス全体の様子の把握や、子どもそれぞれの把握がしやすい。
一斉保育のデメリット
- 色々な保育士がみんなでみる保育のため、子ども一人一人との信頼関係が築きにくい。
- 一斉に保育するため、他児の待ち時間がどうしても長くなる。
- 同じ遊びを子どもたちみんなですることが多いため、主体性が育ちにくい。

一斉保育の良さもありますが、自由で主体性を育てるには、やはり担当制保育ですね。
担当制保育と一斉保育のまとめ
担当制保育とは特定の保育士が子どもの担当を決めて食事、排泄、睡眠など生活習慣の部分を受け持つ保育の方法です。
担当制保育の1日は「流れる日課」。
担当制保育のメリットデメリット
- 担当の保育士と子どもたちがグループで動いていく保育ですが、排泄、食事など生活習慣は、1対1または1対2などで行うので、個々でのかかわりができ成長が見えやすい、また信頼関係が築きやすい。
- 子どもは他の子の生活習慣の行為の待ち時間がなく、他児が排泄や食事の間は遊んでいるので、集中して遊びに取り組む事ができる。
- 一日の流れが毎日同じで、日課を繰り返すことにより、子どもたちも生活の流れやリズムを理解しやすくなり、落ち着いて生活することができる。
- ○○ちゃんの次は私など、子どもが理解するようになり、順番がわかることによって先の見通しが持て、次は私の番と安心して保育士を待っていられる。
- 好きな遊びを存分にできるため、主体性が育ちやすい。
- 特定の保育士と愛着関係が築かれることで、担当以外の保育士が保育をしたときにいつもの保育士じゃないことで、不安定になり保育がしにくい時がある。
- 自分の担当の子どもとは密になれるが、グループとして動いていくことによって、担当以外のクラスの子どものことを把握しにくい部分がある。
- 流れる日課のため、グループが順番に動いていくことにより、保育士の質によって時間がかかったりするなど、保育士の連携が取れていないと、うまく保育が回らないことがある。
一斉保育とはクラスの子どもたちの中に何人かの保育士がいて、排泄や食事、生活習慣や遊びはみんなで一緒にしながら過ごす保育方法です。
一斉保育のメリットデメリット
- クラスの子どもをみんなで保育することにより、保育士が欠勤の場合も子どもが不安定にならずに、いつも通り過ごせる可能性が高くなる。
- クラスの子どもをみんなで保育するため、クラス全体の様子の把握や、子どもそれぞれの把握がしやすい。
- 色々な保育士がみんなでみる保育のため、子ども一人一人との信頼関係が築きにくい。
- 一斉に保育するため、他児の待ち時間がどうしても長くなる。
- 同じ遊びを子どもたちみんなですることが多いため、主体性が育ちにくい。
担当制保育、一斉保育、どちらもメリットデメリットはあります。
就職した園でどちらを取り入れているかは分からないので、事前に調べたり園見学がおすすめです。
私自身担当制保育を知って、担当制保育の良いところがたくさん知れてよかったという思いが強いです。
それも一斉保育を経験してからこそ!です。どちらの保育が合うかは人によって違います。
保育観や保育方法を調べて園を選んでも良いかもしれないですね。どちらも子どもたちがかわいい事は間違いなし!
担当制保育の保育園へ転職を考えた方はこちらの記事もお読みください。
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担当制保育の園も教えてくれて、いろいろな相談に乗ってくれますよ。

少しでもお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました☆
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